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ものづくり暮らし わかばラボ


ものづくりの「家族/親戚/コミュニティ」起業を自由に試行錯誤する場を提供します。

教育・福祉制度が整備されてきたおかげで、安心で便利なことがたくさんあるものの、人生が画一的で抑圧的になりかねない現状を乗り越えられるように、お子さんやご家族の将来への選択肢をもっと増やしたいという思いがあります。

機械を使わない手道具のみの作業を原則とします。木工、手芸、フェルト、レザークラフト等々、ものづくりならなんでもご参加下さい。

これは、ものづくりの所作の中に、自分の存在をしっかり立てていくセラピーでもあります。

これまでのわかばルームの相談において、「希望をもって生きていくために必要なもの」を「否定と承認のバランス」「アイデンティティ」「リアリティ」の3つに整理してきましたが、ものづくりにはこれらのすべてが詰まっています。

来所でもオンラインでも参加できます。

場所
(※これは、移転前2021年までの活動場所です。現在、移転後のわかばルーム一階ガレージにて、木工を中心に作業しております。)

埼玉県さいたま市南区大谷口(参加者の方には改めて詳しくご案内します。)

空き家の床をDIYでフローリングに張り替え、落ち着く空間を作りました。













対象

わかばルームの相談を半年以上継続した保護者。自身の怪我や危険の管理のできる15歳以上のお子さん。

相談の実績がなくても希望があれば、事情等をお聞かせいただいた後、参加を許可する場合もあります。


開催日時

基本的には、毎週木金曜日。10時から17時までのご都合の良い時間にご利用ください。

他、不定期に開催、あるいはお休みすることもあります。詳しい日程は別サイトでご案内いたします。


ご予約

ご利用の際には、事前にお問い合わせいただき、ご予約下さい。


料金

※来所/オンライン共、同料金です。

見学 無料

作業や情報交換をしながら一日利用 1,000円/日

月に何度でも利用できるフリーコース 3,000円/月

道具ケース(収納ボックス)レンタル 2,000円/月

木工 各種講習 5,000円
・カンナの刃 砥ぎ講習
・ノミの刃 砥ぎ講習
・道具の仕立て講習
・墨付け講習
・木造り講習       等々…

各種講習は、時間制限なしで、一通りの作業の行程を体験していただきます。講習終了後に分からないことが出てきた場合は、随時、質問にお答えしますが、ものづくりにおいては自分で苦労して試行錯誤しないと身につかないことがたくさんありますので、悩む過程の話相手に終始する場合もあります。


ルール

・子どもの話をしないこと
多人数が一度に利用するような状況を想定しておりませんが、わかばルームの相談時と違い、同席する方がおられる場合もあろうかと思います。お互い聞かれたなくないこともありますし、ものづくりの研究をする場としての維持をするため、修行僧で言う「雲水」のような、お互いが何者であるかを問わず場やテーマを共有しながら自己の精進に努める人間関係をモデルといたします。
(ただし、奥山のみとの活動中であれば、些細なお子さんの話等をお聞きします。)

・お互いの連絡先交換を禁止
「雲水」でありますので、「わかばラボ」でしか会わない人同士になりましょう。
長いやりとりの末、「一緒に起業をしよう」となってからの連絡先交換はOKです。

・人の活動について、励まし合うことを大切にしていただきたいですが、助けを求められているわけでもないのに指図や否定をしないこと。その人なりの試行錯誤を尊重しましょう。ただし例外として、危険についての注意喚起は積極的に行っていきましょう。また、素晴らしいと感じた時は、その気持ちを伝えてあげて下さい。

・危険な行為は絶対にしないこと
刃物の使用等、危険を伴いやすい作業がありますが、正しい使用方法を会得し、安全な作業や道具の扱いを十分に心がけて下さい。

・これらのルールに抵触することがあった場合、注意をいたしますが、それでも改善されない場合、参加をご辞退いただくことがございます。



趣意文(なぜ、ものづくりなのか?)


すでに子育てとものづくりが結びついている方はここから先をお読みにならなくても大丈夫ですが、疑問をお持ちの方のために解説いたします。

わかばルームで小さい頃から気持ちを大事にしながら、身体を使ったやりとりを続けていると、ほとんどの場合、基本的に勉強が好きになります。その子に合った課題に取り組んでいくことがまずは大切ですが、分からない問題に出くわしても、面倒くさくなっても、大人からの共感や受容を子どもに伝えるとともに真剣に自分と向き合っていくことを促していきながら、困難を乗り越える瞬間に辿り着けるようなお手伝いを継続していけば、次第に、自然と勉強に取り組めるようになります。その繰り返しの中で、知識欲や前に進んでいきたいという気持ちが発露し、勉強以外の困難に出くわしたときの自分の持って行き方も体得していけるように考えています。そのようにして、中学生、高校生、社会人へとなっていくお子さんを見送ってきました。

しかしながら、子どもそれぞれの普段生活している環境によっては、その子の成長にとって適切な難易度の課題を継続して見繕ってもらえていない場合があり、周囲との学力の差を意識せざるを得なくなることもあり、自分のペースで自分の学びたい気持ちを満たしていくことができなくなる場合もありました。親御さんが、焦りを煽られるような言動にあちこちで晒されるような出来事もありました。私には、そうしたお子さんたちがリアリティ無く自身の存在とはまるで関係のない勉強に翻弄されているように感じられてくるのでありました。そして、非常に虚しさを感じ続けることもありました。

つまりは、やむを得ない環境面での事情により適切な心理的援助の開始が遅れてしまったいくつかのケースにおいて、年齢が上がるにつれ、学習活動にリアリティが無くなってくる…という問題と対峙せずにはいられなくなったのです。そこで、そうしたリアリティをどう回復していくのか?と考えた時、私がこれまで関心を持ってやってきた「言語」にしても「心」にしても「音楽」にしても、全て目に見える実体とは違う架空の構成物を取り扱い続けていたのだと気付いたのでした。

では、どうするか?そこで「ものづくり」というキーワードが浮かんできました。「ものづくり」と言っても、いろいろありますが、「木工」かな?となんとなく思いました。さかのぼると、2014年からそんなことを考え始めました。

とりあえずは、家具作りの本を買ってみましたが、まるでどうやったらこういうものが出来上がるのか、見当もつかない状態だったので、意を決して「木工」を習いに行き始めました。その後のことは、拙ブログ『わかばカルチャー』に記録しております。

そんなわけで、当初は子どもとものづくりをして、失われたリアリティを取り戻すことを目指していましたが、木工を習いに行き始めたことをきっかけに気付けてきたことがありました。木工に限らずものづくりの職人として生きることを選択し、精進を続ける数々の人たちと出会ううち、一般的な雇用といった就労形態ではなく、これを生業にする人生も有り得ることに気付けてきたのです。

今の世の中、雇用されて働くのが当たり前になっています。しかし、歴史的にみると、人間が雇用されることにより生計を立てて暮らしている時代の方が特異なのでありましょう。農家にせよ狩猟民にせよ店舗経営にせよ職人にせよ、かつては「家族」がともに労働をする集団の最小単位でありました。その後、会社で人を雇って生産活動やサービスをする方が専門性も高く、効率もよく、規模も大きく、社会が豊かになっていくことが発見されてきて、常識となったのでしょう。それで人々の生活が豊かになったのは歓迎すべき人類の進歩でありましたが、その反面、そこで日々進行していく人生に生きづらさを感じる人々も現れてきたことが、近年、目立って意識されてきたところであるように思います。ひょっとしたら、雇用される生き方以外の選択肢が無いような錯覚が人生を生きにくくさせているのではないかと、ものづくりの初心者をしながら、私は考えるようになりました。東日本大震災に続く、「アフターコロナ」「ウィズコロナ」という文脈において、ライフスタイルの変革を予感する市井の人がわずかにでも増えてきていることを感じます。

ひとつの選択肢として「家族」で労働するということを想定すると、すぐさま、お子さんのことを大人になっても親が面倒を見なくてはならないのか?という問題が生じることにも気付けてきます。そこで、「家族」だけではなく「親戚」や「コミュニティ」といった自分たちが住む場所で生業を営むという暮らしのイメージを掲げることにしました。それにより近代社会が生み出した数々の社会から個人への抑圧や搾取を退けることができるのではないかという希望を持っています。これが、前述の私が感じる「リアリティのない勉強に晒される子ども時代の問題」のみならず、今日の日本の社会問題として取り沙汰されてきた「個人の分断」「無縁社会」「消費社会」「共同体の崩壊」「ブラック企業」「東京一極集中」「空き家問題」「食糧自給率」「障害者雇用」「実存不安」…といった様々な問題を解決する基盤になり得ることを展望しております。

さらに重要なこととして、こうした労働や就労や雇用にまつわる提言を専門家がぬくぬくとした安全なところから口先だけで行い、当事者がパイオニアになっていくのを他人ごとのように眺めているような事態を私は嫌悪いたしますので、まずは自分が実践して見せて、こんなライフスタイルが可能なのだということを世に示すようにしたいと考えました。

そのような問題意識により、これまでの「わかばルーム」での相談活動と並行させて「ものづくり暮らし わかばラボ」を開設することといたしました。まずは、さいたま市南区にある空き家の一部をお借りすることができましたので、その場で活動を開始いたします。将来的には、「わかばルーム」自体を地方に移転することを視野に入れ、新しいライフスタイルを追求して参ります。それにより、これまでの相談業務では乗り越えられなかった近代社会であるが故の子育てのしんどさや生きにくさを超えていく道の一端でも示して行ければと志しております。

「家族/親戚/コミュニティ」によるものづくり起業をテーマといたしますので、ご利用の対象は保護者を中心とさせていただくことにしました。また、あってはならないことですが万が一にでも怪我があった場合、手当や病院搬送等、当然とるべき対応はいたしますし、怪我を起こさないような指導も随時行っていきますが、条件として自己責任で危険を管理できるのであれば、15歳以上のお子さんの参加もお受けいたしますので、どうぞご相談ください。基本的には、保護者にものづくりのスキルを研究していただき、ものづくり起業のアイデアを構想し、お子さんにできる作業は何かを考え、ご自身でお子さんに伝授していくことをお手伝いして参ります。形式的には、作業の場を共有し、情報を交換するコワーキングのような場を提供いたします。実際に「わかばラボ」にお越しいただいてもいいですし、オンラインでの参加もできます。

とりあえず私が多少なりともお伝えできるスキルは、木工の基礎くらいですが、他にかじる程度に経験したものづくりやDIYもございますので、木工だけと思わず、皆様の取り組んでみたいものづくりをテーマに試行錯誤していただければと存じます。ひとつなにかものづくりのスキルをある程度習得すると、他のものづくりにも共通した部分は多く、なににでも波及していく側面がありますので、とりあえず木工をやってみるのも良いかもしれません。

                     (2020.10.7)



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