「わかば式」セラピーのすすめ

〈 目 次 〉

まえがき

わかばルーム開業に至る軌跡を通して、そして、2007年のわかばルーム開業以来の実践を通して編み出されてきた独自のセラピーの考え方や方法論を整理していきます。

不肖私めでございますが、教科書やお題目やアリバイではなく、現実に「本当に子どもが変わる」「主訴解決できる」「親子の救いとなり得る」セラピーをどこまで確立できるのか、試行錯誤してまいりました。型破りなところもありますが、そういうのは、本当に良くなっていくにはどうすればよいのか?と考えるうちに型破りになりました。最初から変わったことをやりたかったわけではなく、臨床場面で起きている様々な現象に気付き、すでに知識として備わるあれこれと結び付けて、素直に正直に考えていったら型破りなものになっていたということなのです。通常においては不可能と思われがちな問題にまでアプローチできる体系であると感じますので、秘密の極意として明かしていない事柄もありつつも、ここで整理していくことが様々な立場の方々のご参考となれば幸いです。

ちょっとエラそーに書いてしまったかもしれませんが、このセラピーを療育界の隅々まで広めようなどという大それた意図は一切ございません。

「自分の編み出したセラピーを世に広めるべきだろうか?」とちょっと悩みまして、ある方に相談してみたところ、「それはあなたにしかできないやつだから、人に広めるなんて意味がない、そんなことを考えるのはやめなさい」とご助言をいただきました。それはなるほどだと思いました。だからここに綴っていくセラピーの「体系」としての姿には、すでになにかスタイルを確立されているセラピスト向け、あるいはその日暮らしのセラピスト向けの表層的かつポジティブな価値がほとんど無いのに違いありません。

どんな方にもセラピーを自分なりにこんなふうにやりたいという「動機」があるものだと想像しますが、そうしたご自身の動機に副わないものを関係ない文脈から押し付けられたとしても、どうせろくなことにはならないでしょう。動機は大切です。動機が全てを決定づけているかもしれません。自分は自分のケースに育てられるものだということも痛感いたしますが、人それぞれ、どんなケースを経てきているのかは様々でありますから、誰かとまったく同じ問題意識を持つなどということは滅多にあり得ることではないとも想像します。

ですが、セラピストにおいても親子においても、なにかご自身の問題意識の中で行き詰まりや不条理さをお感じになられているのだとしたら、そういう方々にとっては、ここに書き綴ることの一部でも助けになり得るかもしれないなとは思うのです。

一方で、表層的なテクニックのようなものをつまみぐいで盗むこともできるかもしれませんが、それは場合によっては憂うべきことのように感じます。そもそも、そういうことで終始できるセラピストであるということは、それ相応の「動機」しか持ち合わせていないことの証左でありましょう。本当は、そのテクニックの深層にあるものを感得していただければ嬉しいのですが、それは私が決められることではなく、今後の世の人間や社会のありように影響を受けることのように思います。正直、今のところあまり良い展望は持てないのですが、もしその悲観をポジティブに転換していきたいお気持ちの方がおられるのでしたら、共感しお力になりたいと希望いたします。「動機」が重なる部分があるのでしたら、逆に、学びを得たくも存じます。

上記の目次の項目をタップしてお読みください。まだまだ未完ですが、少しずつ書き足していきます。

それなりにでもご興味を持っていただけたなら、ご意見・ご感想等をいただけるとありがたいです。